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法学部で広がる未来の自分の可能性(第8回)                                                       裁判傍聴を通じて法の運用について考えよう

皆さん、こんにちは。暑い日が続いていますが、今回も「法学部で広がる未来の自分の可能性」では、流通経済大学法学部の先生方に法学部の魅力についてインタビューをしていきたいと思います。今回は、第2回目に法律学科の魅力を紹介してくださいました宮平先生に、法学部ならではの科目の一つである「法律実務研究」という科目についてお話を伺いました。法律実務というと「裁判」を思い浮かべますが、裁判を見に行くことなどもできるのでしょうか?詳しい話を宮平先生に聞いてみたいと思います。

裁判所前での記念撮影

―――宮平先生、本日もよろしくお願いいたします。
宮平:こちらこそよろしくお願いします。

―――早速ですが、流通経済大学法学部で特色のある科目についてお話をお聞きしたいと思います。
宮平:特色のある授業にはいろいろなものがありますが、私が担当している「法律実務研究」はその1つですね。

―――「法律実務研究」とはどういった科目なのですか?
宮平:この科目は、受講生と教員が裁判所に行って法廷の様子を見学するという法学部では珍しい実習系科目です。

―――裁判所というと近寄りがたい雰囲気がありますが、私たちでも見学に行けるものなのでしょうか?
宮平:裁判の様子は誰でも傍聴できます。流通経済大学の場合、新松戸キャンパスの近くには千葉地方裁判所の松戸支部が、龍ヶ崎キャンパスの近くには水戸地方裁判所の龍ケ崎支部があるので、容易にアクセスできます。

―――裁判所って意外と近所にあるものなのですね。ところで、この「法律実務研究」の授業は、どういった目的で実施しているのですか。
宮平:まずは、実際に法というものが世の中でどういう役割を果たしているかを深く?重く体験して欲しいということです。たとえば、冤罪を生まないために、どれだけ厳格な証拠調べの手続きが必要なのかを理解してもらいます。昨年傍聴した事件の中に、万引き事件がありました。目撃者の証言を監視カメラで確認すると、その証言と食い違う内容だったので、「これは冤罪ではないか?」と騒然とした雰囲気になりました。こういう場面を生で体験することで、いままで以上に法学という学問に興味を持てることでしょう。

―――それは衝撃ですね。ただ、私は法律のことをよく知らないので、裁判の様子を見ても意味が分からないかもしれません。学生の方は大丈夫なのでしょうか?
宮平:実際に傍聴に行く前に、まず10週間程度、裁判制度について授業をします。裁判の流れや裁判官、検察官、弁護士の役割などですね。法廷のシーンが出てくるドラマを視聴しながら、説明しますので、イメージしやすいと思います。そして、毎回レポートを提出してもらい、理解できていなかったところは、丁寧に解説をしています。こういった準備をしてから行きますので、当日の裁判の様子はだいたい理解できます。

―――事前学習に時間をとるのですね。それなら安心です。最後の質問になりますが、この授業で学んだ裁判に関する知識は私たちにとってどう役立つのでしょうか?
宮平:実は、裁判員になったときにどうすればいいのかを学ぶことも、この授業の目的の1つです。みなさんもいつか裁判員に選ばれる可能性がありますので、この授業では裁判員制度の概要や作業の流れも解説することにしています。留学生のみなさんは、日本の裁判員には選ばれることはないのですが、日本の裁判のよいところや改善が必要なところを学んでほしいです。

―――裁判員制度では、抽選で誰でも裁判員に選ばれる可能性がありますよね。大学の授業でこの制度について知っておくことは、たしかに役に立ちそうですね。
宮平:そうですね。実は、多くの人は裁判員に選ばれることに不安を感じているようですが、裁判員を体験した人たちの大半は「参加してよかった」と肯定的な感想を述べているそうです。裁判員制度は、2009年に実現した新しい試みで、まだまだ試行錯誤の段階ですが、多くの人にその意義を理解してほしいと思っています。司法がもっとよくなれば、すべての市民の利益になりますからね。

―――宮平先生の授業を受けることで、司法制度をより良くしていくための知識も身につけられるということですね。とても魅力的な授業だと感じました。宮平先生、本日はありがとうございました。