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スポケン学科ニュースNo.48教員活動紹介(高松 潤二 教授)<陸上競技パフォーマンス分析>

私の専門分野はスポーツバイオメカニクスです。学生時代からこの分野の研究活動を続けてきました。縁あって本学に着任し、日々学生たちと格闘しています。そんな本務と並行して、社会貢献活動の一環として日本陸上競技連盟科学委員会に所属し、陸上競技の競技力向上に関する研究?支援活動に関わらせていただいています。そんな中で私が連盟で行っている活動の一部を以下に紹介したいと思います。(ちょっと古い写真ばかりですみません。)

 下の写真は、高校総体での活動の様子で、競技中の選手を高速度カメラで撮影して、スピードや距離といったデータを計測し様々な観点からパフォーマンスを評価しています。そのためには画像解析という手段を用いますが、準備作業として写真のような測量棒を撮影したりします。


 そして、選手たちの競技映像を収録して、専用のツール(下の画像)で分析します。砲丸投げの場合、投射速度や角度などを算出しています。


 そのようにして算出したデータは、下の写真のような掲示板に速報として貼り出しています。掲示板への速報掲出は高校総体で独自に実施しているものですが、ジュニア?ユース年代の選手たちに科学的な視点を持ってほしいという教育的な要素を多分に含んでのものです。


算出データはさらに多くの皆さんに知ってもらえるように、報告書として配布したり、下記のURLを通じて配信したりしています。興味がある方はぜひ覗いてみてください。https://www.jaaf.or.jp/about/resist/t-f/

 最近の話をすると、新潟で開催された日本選手権で同様の活動を実施しました(下の写真)。ほぼ参加証明のために撮ったようなわざとらしい写りになっていますね。それはともかく、ここで得られたデータはとても重要で、来年の2025年に東京で開催予定の世界陸上に向けて活用されます。


 こうした活動は、先達が多くの困難を乗り越え開拓し、最近になってやっとその価値が認知されてきました。そして、ここで紹介したようなデータのフィードバックを受けていた選手たちが日本を代表する指導者になってきている現在を思うと、とても感慨深いです。
 
 いち大学教員にすぎない私が、微力ながらこうして社会貢献させていただけるのは大変光栄であり、同時に責任の重いことです。「大学と連盟のどっちが本業なんだ」と言われないように気をつけてはいますが、連盟の科学委員会のメンバーでいられる限りは、活動を通じて得られた知見を本学の学生たちにも還元できるよう精進します。